寧波の空港

あれは2年前の年末のこと。
 
寧波で会議があり、会議が終わればそのまま上海経由で日本へ一時帰国という段取り。
 
なにをどう思ってそうなったのか覚えていないが、それまで日本から少しずつ持ち込んできてたDVDを12〜13枚をスーツケースに入れていた。
 
会議が終わりホッとして寧波空港。
空港で荷物を預けた途端、大音響のサイレンと赤い警報灯がグルグル。
 
係官がスーツケースを開けろという。
でも対応は丁寧。
開けてCDケースを発見。
当然「CDだ!」と主張。
 
・・・と女性係官がDVDのディスクタイトル「美少女・・・」という文字を発見する。
 
係官、いきなり偉そうになる。
警官を呼ぶ。
そして空港警察に即連行。
 
この時点から中国語のまったくわからない日本人旅行者になることにした。
 
警察では警官いろんな書類を書き始め、パスポートの番号とかも記録されている。
この時点でいろんなことが頭を駆け巡った。
国内線で言い訳が効くのか?会社に通報されるのか?警察に記録が残るのか?中国に再入国できるのか?とか。
いまから思うとおかしいけど気が動転しているから仕方ない。
 
警官は口々にいろんなことを言っている。
どう処分するか、罰金で済ますか、罰金は規定で3500元ぐらいじゃないか?とか。
 
そうこうするうちに女性の警官がやってくる。
日本語でしゃべり始める。
通訳として呼ばれたらしい。
 
なぜ捕まったかの説明がなされる。
このようなDVDは中国では違法となること、持っているだけで犯罪ですよ、とのこと。
知ってるけど・・・。
 
で、通訳警官を交えて男警官が取調べ。
 
警官「このようなDVDは中国では違法だ。知っていたか?」
私「えー?そんな・・・。全く知りません。日本では全く問題ありませんよ。」
警官「ここは中国だから日本とは違う。」
私「いやー初めて知りました。申し訳ありません。」
警官「どこで買ったのか?」
私「日本で買いました。」
警官「このDVDを中国で見たか?誰か中国人に見せたか?」
私「中国で見たことはありません。もちろん誰にも見せていません。」
警官「本当にそうか?中国人に見せていたら重い処罰が下されるぞ。」
私「本当です。これから日本に帰国するし、そんなことは考えられません。」
警官「本来ならば3500元の罰金なんだが、あなたは外国人で違法だと知らなかったらしいので罰金はなしにしてあげる。これから中国の規定をよく理解して中国でもっといい思い出を作って欲しい。」
私「ありがとうございます。今後はおっしゃられたことを肝に銘じ法令順守に努めます。」
 
あわれな旅行者はこうして解放されました。
ただ、淫盤と書かれたDVD押収書類(パスポート番号とサイン付き)の控えをいただきましたがね。
 
警官はパスポートの入出国記録見て駐在だってわかったと思うんだけどね。
それに説明もむちゃくちゃだし。
なにが見たことない、だ。
皆さん面倒な仕事が嫌いな人たちばかりで良かった。
まさか本当に気付かなかった?
 
今日の一曲:Prince 「Kiss」

Kiss

Kiss